捻挫なび

足首の捻挫の腫れ症状の治療法・予防方法、足首捻挫のテーピング方法を初心者向きにわかりやすく解説しております。

足関節の靭帯・骨格図

 足首の捻挫には、足首を内側に捻ることによって発症する、内反捻挫と、足首を外側に捻ってします外反捻挫があります。

 一般的な足首の捻挫の約8割以上は内反捻挫によるものです。

 尚、文部科学省が公開したスポーツ障害の統計データでは、実にスポーツアスリートの9割以上が一度は捻挫の経験があると答えているデータがあります。

 このデータは、それほど多くのアスリートが日々捻挫症に悩まされているという証とも言えるでしょう。

足関節の靭帯・骨格図

 左の足関節の靭帯・骨格図を見ても分かるとおり、足関節を構成する骨や靭帯組織は多くやや複雑です。

 実際に捻挫で損傷する足関節の靭帯としては足関節の内側にある「三角靭帯」よりも足関節の外くるぶし側に位置する腓骨と距骨を繋ぐ「前距腓靭帯」や腓骨と踵骨をつなぐ「踵腓靭帯」の損傷が多くなります。

 尚、足関節の捻挫は比較的多く発症する障害でもあることから治療方法もある程度確立されており、アイシング療法などを行っているチームも今では多くあります。

 しかし、正しい応急処置と回復期の対処によってアスリートの競技への復帰までの期間は大きく異なることから、今後はよりレベルの高い治療技術を身につけていくことも視野に入れておかなくてはいけません。

 基本的には患部の内出血の部位や、内出血量の度合いなどを確認することで障害の度合いを図ることは可能です。

 慣れてくるとテキパキと応急処置を行い、復帰までのリハビリトレーニングまで自分自身で行うこともできるようになります。

足関節の捻挫における最も大切なことは応急処置のスピード

 足関節の捻挫における最も大切なことは一体何でしょうか?

 真っ先に病院へいく事でしょうか?

 病院へ行くことは確かに大切です。しかしそれ以上に応急処置のスピードで大切であると断言できます。

 捻挫を発症した直後の対処は確実かつ「迅速」であるほど治療効果は高まります。

 尚、足首の捻挫では症状によってテーピングなどの技術も異なるので注意が必要です。

 当サイトでは、様々な観点から捻挫の中でも最も多く発症する足首の捻挫の治療法について専門的に記事を加えてきました。

 記事は入門者向きにわかりやすい解説を心がけておりますので最後まで一通り記事に目を通していけば、ある程度のラインまで自分自身で対処ができるようになると思います。

捻挫とはどのような症状のこと?

 足首の捻挫とは、スポーツ競技中などに足関節に対して
●大きな外力
 が働く、もしくは加わった際に、足首の関節が
●正常な可動範囲
 を超えて引き伸ばされてしまった際に、関節を安定させる働きをもつ
●靭帯組織
 が部分断裂、もしくは断裂する障害の事を捻挫といいます。

 スポーツ選手の多くは一度は捻挫の経験をしているもので、足関節の障害の中では、最も発症確率の高い病気が足首の捻挫であると言えます。

捻挫はスポーツ障害No1の発症率!

 捻挫はスポーツアスリートが発症する
●スポーツ障害
 の中でも、統計的に最も多いスポーツ障害とされていて、実に
●9割以上のアスリート
 が、一度は捻挫を体験していると言われております。

 中でも足首の捻挫は、人体に無数にある靭帯組織で形成される関節の中でも
●最も多く捻挫を発症する関節
 であり、また頻繁に捻挫を繰り返すケースも多くあることからアスリートを悩ませる関節障害として有名です。

捻挫発症後の症状の経過について

 足首捻挫発症後の症状の経過について見ていきましょう。

 まず足関節を捻ってしまった場合、捻挫障害を発生した直後から、「患部に内出血」が発生しはじめるようになります。

 この内出血の発生は足関節を構成する靭帯に微小の断裂や部分断裂が発症している証です。

 尚、この内出血のスピード及び量は、重度の捻挫症状であるほど、
●早く広がる
●大量の血液が集まる
 という傾向がありますので、内出血の状態からも、捻挫の症状の度合いをある程度確認することが出来ます。

※内出血の発生スピード、腫れの大きさで症状のレベルをある程度推定が可能

内出血の部位から症状を判別する

 足首捻挫の内出血症状は、その発症部位から症状をある程度の範囲で判別することが出来ます。

 足首捻挫の内出血の特徴として、内反捻挫の場合は、足首の「外くるぶし近辺」が内出血によって大きく腫れ上がります。

 内側に捻る内反捻挫の場合は足関節の構造図にある外くるぶし周りの靭帯に損傷を発症するケースが大半であり、内反捻挫によって最も多く損傷しやすい靭帯は「前距腓靭帯」と呼ばれる靭帯組織です。

 内反捻挫は足関節の構造上からも最も発症しやすい捻挫であり、足を内側に捻る事によって発症した捻挫は内反捻挫に分類されます。

 尚、あまり発症することはありませんが、足首を外側に捻る外反捻挫の場合はこの内出血が内側くるぶし近辺に確認されます。

 これは内くるぶし近辺に存在する「三角靭帯」に損傷を受けた場合のケースです。

どちら側に捻ってしまったのか?

 捻挫の全てのケースで腫れる部位が統一されている訳ではありません。

 しかし、例えば小学生などを指導している立場の方の場合は、児童が「どちらに捻ったのか覚えていない」というケースもあります。

 内反捻挫の場合、外反捻挫の場合では症状の度合いが異なるケースも多いので…⇒続きを見る

内反捻挫とは?

 内反捻挫とは、足関節を内側に捻ることによって発症する足首関節の捻挫のことを言います。

 足首捻挫の大半は、この内反捻挫を発症するケースが多く、発症後はくるぶしの外側に内出血による腫れが確認されます。

足関節の靭帯・骨格図

 内反捻挫によって足首のくるぶし側が腫れてくる原因は、足関節を構成している靭帯組織の中でも
●前距腓靭帯(ぜんきょひじんたい)
 と呼ばれる靭帯に部分的な断裂症状を発症しているケースが多いことが原因にあります。

 内反捻挫は、捻挫発症後の応急処置が
●素早く
●適切に
 行われた場合、数日程度で競技に復帰できるケースが多い捻挫でもあります。

 対して外反捻挫のケースでは、治療がやや困難になるケースが多くあります。

内反捻挫の特徴と注意点について

 内反捻挫の特徴と注意点について解説します。

 内反捻挫は、外反捻挫と比較すると、競技までの復帰に時間があまりかからないケースも多く
●重度の捻挫
 になりにくい傾向をもつ捻挫です。

 しかし、足関節の構造上、内反捻挫は発症しやすい傾向にあることから
●捻挫がくせになってしまう
 という特徴も持っております。

 足関節の捻挫を繰り返すと、足関節を支えている靭帯組織が弱くなり、
●更に捻挫を繰り返しやすくなる
 という悪循環に陥るケースも多くあります。

 ですから、捻挫の治療は、しっかり行い、毎回しっかり完全に完治させることが重要となります。

 「自分は頻繁に捻挫を繰り返してしまっているような気がする・・・・」

 このような場合は、一度整形外科の医師の診察を受け足関節の状況をチェックしてもらうことをお勧めします。

 一般的に捻挫の症状をチェックする場合は
●ストレッチ写真
 と呼ばれるレントゲン撮影を行い、関節の状況をレントゲン写真とぐらつきのチェックの双方から確認していきます。

 尚、経験のある方も多いかもしれませんが、捻挫発症後に病院で行うストレッチ写真は、関節を一度ストレッチさせるため、かなりの痛みを伴います。

外反捻挫とは?

 外反捻挫とは、内反捻挫が足関節を内側に捻るのに対して、
●外側に捻る
 ことによって発症する足首関節の捻挫のことを言います。

 足首捻挫の中では、比較的発症するケースが少ないタイプの捻挫であり、発症後は
●くるぶしの内側
 に内出血による腫れが確認されるケースが多くあります。

 外反捻挫は、内反捻挫と比較すると
●より大きな外力
 が加わらなければ発症しにくい捻挫でもある為、外反捻挫を発症した場合は、大半のケースが
●重度の捻挫障害
 となる傾向にあります。

 これは内くるぶし近辺を覆う足関節の固定を行なう三角靭帯と呼ばれる靭帯がとても頑丈な靭帯であり、また足関節の構造が外反捻挫を起こしにくい構造となっている為です。

外反捻挫の特徴と注意点について

 外反捻挫の特徴と注意点について解説します。

 外反捻挫は、前項でも解説したとおり、大きな外力が加わることによって発症する捻挫です。

 内反捻挫は、ただ歩いているだけでも、つまづいた際に、軽い捻挫を発症することが実際にあります。

 しかし、外反捻挫の場合は足関節に対して、「つまづいた程度の軽い外力」では捻挫に至ることはまずありません。

 これは足関節の構造上の理由からです。

足関節の図

 足首を構成する関節につながる脛の骨には脛骨(けいこつ)と腓骨(ひこつ)と呼ばれる骨があります。

 この2つの骨は靭帯を通じて足の踵骨(しょうこつ)や距骨(きょこつ)や舟状骨(せんじょうこつ)と呼ばれる骨に繋がり足関節を構成しております。

 この脛の骨である脛骨の形状は図の赤い丸で示しているように親指側がやや下方に伸びている為、内側へ捻りにくい構造となっているのです。

 また足首の内側にある三角形の形状をしている三本の靭帯は非常に強靭な靭帯組織となっており、断裂がしづらく骨の付着面を剥がしてしまい遊離させることもあります。
※前脛距靭帯(ぜんけいきょじんたい)・脛踵靭帯(けいきょじんたい)・後脛距靭帯(こうけいきょじんたい)の3つを三角靭帯と呼ぶ

 ですから、外反捻挫を発症してしまった場合は、靭帯組織へのダメージも、より大きなダメージを受けている可能性…⇒続きを見る

内出血はなぜ起こるの?

 足首捻挫を発症すると、必ず傷ついた靭帯組織部分に内出血が発生します。

 では、この内出血はなぜおこるのでしょうか?

 実はこの内出血は、人間が生まれながらにしてもっている
●自然治癒力
 の働きによって内出血がおこっているのです。

 ですから内出血が起きるのは正常な反応であり自然治癒力がしっかりと働いている証拠とも言えます。

 捻挫では、靭帯組織が部分的に小さな断裂をおこし靭帯そのものが損傷を受けておりますので、患部には強い炎症反応が発生し損傷部位を修復しようとたくさんの血液が集まります。

 これは炎症反応を確認した血液中に含まれる免疫システムである白血球や血小板が傷口の修復活動を行なうために血液に乗って集合する為です。

 内出血はこのような自然治癒力の働きによって発生している現象である為、仮に患部が大きく腫れあがったとしも過度な心配は必要ありません。

 腫れ上がるのは正常な反応。(但しあまりにも大きく腫れ上がっている場合は足関節の骨折の可能性がある為、必ず病院の診察を受けることが大切。)

 捻挫の対処で最も大切なことは、くじいてしまった直後の応急処置がポイントとなります。

内出血の注意点について

 内出血の発生は前項で解説したとおり強い炎症反応に対して患部に血液が流入する「自然治癒力」が働いている証拠です。

 尚、重度の捻挫となると、炎症反応も強く内出血の量も大きくなり、患部に大量の血液が集まります。

 こうして大量に集まった血液は、急速に細胞組織の修復活動を行なうため運動量が大きくなり、たくさんの「酸素」を消費していきます。

 酸素は血液中のヘモグロビンに結びつく形で体循環の過程で各臓器や細胞組織に心臓から送り届けられております。

 大きな内出血が発生すると血液は患部に集中し、患部周辺組織は特に大量の酸素を消費します。そしてこの大量の酸素の消費の問題は実は深刻な問題です。

 これは、患部周辺のまだ傷ついていない元気な細胞組織たちが使うべき酸素までも消費…⇒続きを見る

足首捻挫治療の9割は応急処置による

 足首捻挫を発症してしまった場合は、何よりもまず
●応急処置
 を、的確に、かつ素早く行うことが重要です。

 足首捻挫の治療の根本は、
●9割り以上
 がこの応急処置の実践により左右されます。

 応急処置が適切になされた場合、復帰までの治療期間は実に大きく短縮されます。

 捻挫を早く治す方法としては、この応急処置の早期実施が何よりの方法となります。

 病院ではギプス固定などで足関節の可動を制限し早期回復を目指しますが、整形外科などに行く前に自分で最低限の処置を行う事がポイントとなるのです。

 尚、早期に完治させたい場合は応急処置後に温熱療法や保存療法などの各種治療法の実践と合わせてグルタミン含有サプリメントなどからグルタミンを摂取し内面からの回復を積極的に図っていく事も重要です。

 グルタミンは筋力トレーニングに励んでいるアスリートであれば「プロテイン」「クレアチン」とともに重要な要素をもつアミノ酸として知られる成分です。これは激しいトレーニング後に枯渇するグルタミンを積極的に補給する事でグルタミン再合成時に発生する筋肉分解を抑制する目的があるためです。
 また、グルタミンは外科手術を行った患者の傷口の回復を早める効果があることが確認されており医療の現場でも術後の早期回復を目的として使用されているアミノ酸成分の一種でもあります。
 足関節の捻挫は、靭帯組織の部分断裂もしくは完全断裂を伴う障害である為、外科手術同様傷口の早期修復が現場や実践中のスポーツ競技への早期復帰につながります。

足首捻挫の応急処置方法(RICE処置)

 足首捻挫の応急処置方法を解説します。

 足関節の捻挫の応急処置は
●RICE処置
 を根本に治療を行っていくことになります。

 RICE処置とは、米国発症の応急処置技術で、その頭文字から名称が名づけられております。

【RICE処置】
●Rest = 安静
●Ice = アイシング
●Compression = 圧迫・固定
●Elevation = 挙上
 RICE処置の頭文字の意味は上記の通りです。

 このRICE処置に基づく応急処置は、捻挫に限らず、様々なスポーツ障害の応急処置の基本となります。

【Rest=安静】
 応急処置の基本となる安静。
 文字通り、捻挫発症後はできる限り患部に負担をかけないことが基本です。
 特に応急処置段階では血行の流れが急激に患部に向けて加速する為、歩行などの軽い運動さえも極力避けたいものです。
 軽い捻挫の場合は競技を続行するケースもありますが、続行を決断した場合は、100%怪我の完治が遅くなる覚悟をもつことが重要です。
 回復が遅れる理由は酸欠による細胞の壊死による問題です。

【Ice=アイシング】
 アイシングは順番的に2番目となっていますが、捻挫の応急処置では最重要課題となります。
 アイシングの目的は、患部に集まる血流の流れを鈍化させることにあります。
 他の3つが仮にできなくてもアイシングは最優先で行います。
 アイシングのポイントは何よりも温度です。
 熱を最大に奪う温度はゼロ度です。
 これ以上でもこれ以下でも効果は半減します。
 ゼロ度はちょうど溶けかかっている氷の温度に相当します。
 バケツに水を入れ氷をたくさん入れることでゼロ度の状態を容易に作ることができます。
 アイシングパックを使用する場合は氷と水が入れられるもので対応し、ゼロ度以下のアイスブロックなどを直接充てることは効果も低く凍傷の危険性もある為避けましょう。
 コールドスプレーは捻挫の応急処置に関しては残念ながら効果はないと言っても良いでしょう。

【Compression=圧迫・固定】
 圧迫・固定は最後で問題ありません。
 病院ではギプス固定を行いますので、自分でできる応急処置は添え木などを使用した固定と大腿部からの血流を抑制するタオルなどを使用した圧迫です。
 しかし、血流の抑制は動脈をしっかり確保できること。
 また抑制しすぎない事も重要となる為、自分では行わない方が良い処置のひとつとも言えます。

【Elevation=挙上】
 挙上のポイントは心臓よりも受傷した患部を高い位置に置くことです。
 足首の捻挫の場合は、あおむけで横になり、足をイスなどの上に乗せアイシングパックなどで患部を冷やすと効果的です。
 心臓より高い位置に置く理由は重力の問題です。
 心臓から拍出される血液は重力の影響を受け…⇒続きを見る

足首捻挫を発症する主なスポーツ競技

 足首捻挫を発症する主なスポーツ競技は以下となります。
●バスケットボール
●バレーボール
●ハンドボール
●野球
●サッカー
●バドミントン
●テニス
●スカッシュ
●柔道
●ラグビー
●相撲
●アメリカンフットボールなど

 この他にも様々なスポーツで足関節の捻挫は発生しますが特徴としてはジャンプ系の動作が求められる競技や、激しいコンタクトの伴うスポーツ、左右の素早いフットワークスキルが求められるスポーツ競技などでは足関節の捻挫が発症しやすい傾向にあります。

 尚、ジャンプ系競技での足首の捻挫で最も多いのは着地時の捻挫によるものです。

 着地の際に捻る、もしくは誰かの足の上にのってしまい捻挫をするケースは非常に多く実際に経験がある方も多いかもしれません。

 また、大きな外力の働きやすいラグビーや相撲などのスポーツ競技においても衝突時などに捻挫の発症率が高まります。

試合中に捻挫を発症してしまった場合

 バスケットボールや、バレーボールなどのゲーム中、足首捻挫を発症してしまったアスリートが
●そのゲーム内
 に復帰をしている場面をよく見かけます。

 このようなケースでは、ゲーム中に
●足首をテーピングでガチガチに固めて固定した状態
 ですぐに復帰しているパターンが大半です。

 特にエース級のプレイヤーやキャプテンを務める選手にはこのような傾向が良く見られます。

 責任感のあることはすばらしい事ですし、最終的には監督や個人が決めるべき問題であり第三者がとやかく言う問題ではありません。

 そこに大会に至るまでの経緯。普段の練習から長時間に渡って培ってきた信頼関係など回りからは見えない要素がスポーツには多くある為です。

 但し、足首の捻挫は「足関節の靭帯が伸びている状態」であること。

 そしてこの状態は実はとっても危険な状態であること。

 更に足首捻挫に留まらず、大きな障害につながる危険性があることは選手も指導者も把握しておくべきでしょう。

ゲームへの復帰の判断について

 足首捻挫を発症した場合は、足首の関節がぐらぐらと固定されていない状態です。

 例えテーピングで固めたとしても、この関節のぐらつきはその場で戻ることはまずありません。

 もしここで、再度捻挫を発症した場合は、最悪の場合
●骨折
 につながる危険性を持っています。

 また、足首をかばう事から、膝や腰に不自然な負担をかけてしまう事も考えられます。

 関節とは、人体のジョイント部分にあたります。

 車で例えればボルトが緩んでいるタイヤでレースをするのと同じ原理なのです。

 ゲームへの復帰は、最終的に
●指導者
●プレイヤー
 の判断によってなされます。

 指導者がもし、続行を判断する場合は、このような危険性を認知した上で全責任をもって出場させる心構えが重要です。

整形外科による足関節のチェックについて

 足首捻挫は、頻繁に発症するスポーツ障害ですが、応急処置によっては比較的早い段階で競技に復帰出来る可能性の高い障害ともいえます。

 とは言え、長年スポーツをされている方であれば既に体験されている方も多いと思いますが足首捻挫はクセになる障害でもあります。

 足首捻挫を頻繁に繰り返すようになると、足首の関節を支えている靭帯が、少しずつ完全に戻らずに軽く伸びてしまっている状態になってきます。

 整形外科などで、診察を受ける際、医師は足首のぐらつきをチェックし、足首の靭帯がゆるんでいるかどうかを簡単にチェックしてくれます。

 あまりにも頻繁に繰り返す場合は一度チェックを受けることが大切です。

 この原因の大半は、完全に治りきる前に運動を再開してしまう点にあります。

 捻挫と言えどもスポーツ障害のひとつです。

 いつもの捻挫だから…と捻挫を軽視し完治させずにズルズルと競技を続けた場合、回復期間が長くなり完治までの日数が1ヶ月以上かかるケースも出てきます。

 また靭帯は関節のぐらつきや可動範囲の制限を行なう重要な組織でもある為、緩んでいる状態で運動を継続し続けていくと、最悪の場合は「捻挫の後遺症」として関節が常時緩んでいる不安定な足関節構造となってしまうケースもあります。

 捻挫は基本的に保存療法が主体ですが、靭帯が常時緩んで戻らないような状態になってしまった場合は手術…⇒続きを見る

足首捻挫の予防について

 足首捻挫を防ぐことは正直できません。

 これは、足首捻挫が外力によって引き起こされる障害である為です。

 その点から言えば、オーバーユース系の障害とは異なり、発症してしまう事を前提に取り組んでいく必要がある障害と言えます。

 しかし、100%防ぐことは不可能だとしても普段から足首の捻挫を発症しないように予防をしておく事は可能です。

 足首捻挫の予防としては、関節を固定する器具を使用したり、テーピングであらかじめ
●関節の可動範囲に制限をかけておく
 などの方法があります。

 また、シューズなども捻挫の予防対策としてハイカット系のシューズもたくさんの種類が出てきております。

 昔は、バレーボールなどの競技では、ローカットが当たり前で、ハイカットのシューズはほとんど存在しませんでした。

 しかし、ハイカットのシューズは、ローカットに比べ、当然シューズに重みが出てくるので、
●ジャンプ系競技を実践中
 のアスリートには悩みどころでもあるのが現状です。

 シューズが軽い事は疲労の軽減にも繋がり、僅かでも軽いほうがジャンプの高さが求められる競技ではやはり有利でしょう。

 全日本バレーボール選手が使用していた軽量モデルのバレーシューズが爆発的に売れたことがあったようにやはり軽いシューズは魅力です。

 またハイカットシューズの重みが足の早期疲労を招き、逆に捻挫に繋がっている可能性もあるのではないか?という見解もある為、現時点ではシューズによる予防はまだ完全に検証できていない段階にあると言えるでしょう。

テーピングによる予防について

 足首捻挫の予防法として最も行われている対策のひとつが、「テーピング」による捻挫の予防です。

 スポーツテーピングでは、
●応急処置のテーピング
●予防としてのテーピング
 の2種類のテーピング方法が存在します。

【応急処置としてのテーピング】
 応急処置としてのテーピングでは、内出血の発生による「腫れの逃げ場所」を確保しておくことが基本です。

 基本的なテーピングの流れとしては、アンダーラップを巻いた後、
①アンカー
②スターアップ
③ヒールロック
④ホースシュー
⑤フィギュアエイト
⑥ラッピング
 となります。

 最も使用頻度が高いと予想される内反捻挫のテーピング施術に関しては、底屈・背屈動作は制限を加えてはいけません。

 その為、エラスティックテープを使用しテンション(引っ張りながら)を加えながらたるまないようにスターアップを行っていきます。

 使用するテープは厚手のタイプが理想ですが、ハンディーカットタイプの薄手のものでも対応は可能です。

 足関節の捻挫の際に必要なテーピング用具は
●アンダーラップ
●ホワイトテーピング
●エラスティックテープ(ラッピング用)
 などがあると便利ですが、アンダーラップは最悪使用しなくてもテーピングは可能です。

【予防としてのテーピング】
 対して予防としてのテーピングでは、足関節をがっちり固定し、
●関節の可動範囲
 に制限を加えるテーピングを施します。

 テーピングの効果は、靭帯組織を人工的に作り出す効果が期待されます。

 ですから、捻挫の予防としてのテーピング効果は比較的大きな効果が期待できます。

 制限を加える可動域は内反捻挫、外反捻挫と捻挫の種類によってテンションを加える方向を変えていくのが基本です。

 内反捻挫の場合のポイントはスターアップを足の内側の脛骨側からスタートし、足裏を通じて腓骨(足の脛の外側)に向けて引っ張りながら貼っていく点がポイントです。

 逆に外反捻挫の場合は腓骨側からテーピングを始めます。

 捻挫を発症後1~2日間の間にテーピングを実施する場合は、まだ内出血が続く可能性…⇒続きを見る

タオルギャザーについて

 足首捻挫のリハビリ方法のひとつとして、タオルギャザーがあります。

 これは、足裏のアーチをつかさどる
●下腿の筋肉郡
 の筋力低下を防止するトレーニングでアーチを強く保ち、
●シンスプリント
 などの予防にも効果のあるトレーニングです。

 捻挫の治療期間中にタオルギャザーを実践することによって
●実践競技への復帰時
 に大きな筋力低下をおこすことなく、競技へ復帰することが可能となります。

 負荷は小さくとも効果の大きなリハビリテーションメニューです。

タオルギャザーの方法について

 タオルギャザーの実践方法について見ていきましょう。

 やり方はとても簡単で準備するものはタオルと重りとして使用できるものがあればOKです。

 まず地面にタオルを置き、そのタオルの前方に本など軽い錘をのせます。

 そして、そのタオルの手前側を足の指だけでつかみ、手前に引いていくトレーニングです。

 タオルを引っ張りきって、足指に錘がついたら1セット終了。

 メニュー的には非常にシンプルです。

 これを基本的に10~20セット程度繰り返していきます。

【タオルギャザーの目的】
 タオルギャザーの目的は、治療期間中の筋力の大きな低下の防止。そしてリハビリ期の足首周りの筋力の強化です。

 負荷は錘によって上げることは可能ですが、錘を増やすより、セット数や頻度を増やし
●回数をこなす事
 に重点を置き、疲労に強い筋力を形成する事が大切です。

【タオルギャザーで鍛える筋肉】
 タオルギャザーで鍛えられる筋肉は足関節をまたぎ足裏を通じて足指の底面の骨に付着する
●長趾屈筋(ちょうしくっきん)
●長母趾屈筋(ちょうぼしくっきん)
 などの筋肉の他、オーバーユースによって炎症を発症しやすい後脛骨筋(こうけいこつきん)や、長趾屈筋の筋出力…⇒続きを見る

水中歩行について

 足首捻挫のリハビリ方法の有効なリハビリテーションメニューのひとつに前項で解説したタオルギャザーに加えて
●水中歩行
 があげられます。

 足首捻挫を発症後、地面に足をついても痛みが生じない程度まで回復してきたら、
●筋力を落とさない程度のリハビリ
 を開始する事が、競技復帰の際の
●ブランクの回避
 に繋がることは間違いありません。

 但し、このリハビリ期間中にあまりにもバリバリとトレーニングを行うと、回復までの期間が伸びてしまい完治が遅れる可能性も出てきます。

 そこで運動量はある程度の量をこなすことができ、かつ関節や靭帯への負荷が軽減される水中歩行が有効となります。

水中歩行の魅力と効果について

 足首捻挫のリハビリテーションとして水中歩行によるリハビリテーションが非常に良い点は、
●足関節への負荷
 が少なくかつ運動量を稼ぐ事ができる点にあります。

 水中では、重力が地上に比べ
●10分の1
 になります。

 これは水の特性である浮力が働く為です。

 月では重力が6分の1になると言われますが、更に軽い重力となるのです。

 体重60キロのアスリートの場合、足首にかかる負担は
●実に6キロの体重分
 という計算になります。

 しかし水中では、この重力の軽減とともに
●水の抵抗作用
 が働く為、陸上を歩くよりも抵抗は大きくなります。

 陸上と同じ距離を歩くにしても必要とされる運動量は非常に大きくなり大量のカロリーを消費することに繋がります。

 休養時の体重の増加防止、筋力低下の防止を負担なく行う事ができる水中歩行は、足首捻挫のリハビリ方法としては最適な手段と言えます。